仏像イラストレーターの田中さんが愛する、京都に行ったら必ず会いたい仏像

MSN - 20:41
イラストレーション・田中ひろみ 構成&文・堀越和幸 写真・アフロ お寺で何となく拝観している仏像は、ちょっとの知識があれば世界が変わります。京で必ず拝みたい仏像と共にその極意を教えましょう。 見方がわかるとありがたみ倍増。 何度でも会いたい京の美仏たち。 仏像は興味がない人にはきっとみんな同じに見えることでしょう、と語るのは仏像イラストレーターの田中ひろみさ...

イラストレーション・田中ひろみ 構成&文・堀越和幸 写真・アフロ

お寺で何となく拝観している仏像は、ちょっとの知識があれば世界が変わります。京で必ず拝みたい仏像と共にその極意を教えましょう。

見方がわかるとありがたみ倍増。 何度でも会いたい京の美仏たち。

仏像は興味がない人にはきっとみんな同じに見えることでしょう、と語るのは仏像イラストレーターの田中ひろみさんだ。でもーー。

「ちょっとした基本の知識があると俄然見え方が変わってくるんですよ。仏像は手作りなので、時代によって、場所によって、作った人によって一体一体がまるで違います。そしてそれがわかってくると、すごく面白くなる」

仏像拝観を続けて30年超、今では全国の有名どころをほぼ網羅しているという田中さんに教わる、仏像を読み解くための基本のキ。

「代表的な種類や持っている物の意味がわかると親しみが湧くし、ありがたみも倍増します。私が好きな京都の仏像を例に、今からご案内しましょう!」

田中さんが愛する、京都に行ったら必ず会いたい仏像。

萬福寺|羅怙羅 尊者坐像(らごらそんじゃざぞう)

誰の心にも宿っている仏の心を示すお姿。

萬福寺の大雄宝殿に安置されている十八羅漢像の一体。十八羅漢とは釈迦の弟子であり、そしてこの羅怙羅尊者はお釈迦様の息子なのだという。「耳に大きなピアス、かなりインパクトのある顔をしていて、見れば胸を割いて中から仏の顔が覗いている。これは〝人はその心の中に必ず仏の心を宿す〞という教えを伝えるためだそうです」。お釈迦様はインド貴族の王子で妻子を捨てて出家するが、後に息子もその弟子となった。

萬福寺は1661(寛文元)年に中国僧・隠元(いんげん)禅師によって開設されたお寺。

◆京都府宇治市五ケ庄三番割34 

京阪宇治線、JR奈良線「黄檗」駅より徒歩5分。

泉涌寺(せんにゅうじ)|楊貴妃 観音坐像(ようきひかんのんざぞう)

絶世の美女が観音様に。願掛けの女性客を魅了。

後堀河天皇が祈願寺と定めた泉涌寺は「御寺(みてら)」と呼ばれる皇室と関係が深い格式あるお寺。そんな泉涌寺の入り口すぐ左奥の御堂には世界三大美女と謳われる楊貴妃観音坐像がある。「冠やネックレスも豪華、手には〝宝相華(ほうそうげ)〞という極楽で咲く花を持ち、優しく微笑んでいます」。よく見ると口元に髭のようなものも描かれているが、「注意書きによればこれは髭ではなく観音様が慈悲を説く口の動きを表しているそうです」。

門の左側に御堂がある。美人祈願や良縁祈願で訪れる女性の参拝客も多い。

◆京都市東山区泉涌寺山内町27

JR奈良線、京阪本線「東福寺」駅より徒歩15分。

地蔵院(椿寺)|五劫思惟 阿弥陀如来坐像(ごこうしゆい あみだにょらいざぞう)

お正月の3日間のみ公開される、話題の如来。

街中にある小さなお寺だが、その歴史は古い。奈良時代72...
[Short citation of 8% of the original article]

Loading...